Webメモ帳

鑑賞記録

映像作品の感想

2018年

『ペンギン・ハイウェイ』

邦画  ★★★★★

はてなグログ 原作のイメージを完全に表現できているのがすごいです。特にお姉さんの魅力が半端ない。少年から見た街の風景、お姉さん、世界の果て、全てが瑞々しくて素敵に見えます。

『ミッション:インポッシブル フォールアウト』

洋画  ★★★★☆

アクションシーンはどれも素晴らしいです。格闘、カーチェイス、ヘリコプター、そして最後はロッククライミングと、盛りだくさんでお腹いっぱいです。しかもほとんどスタントを使ってないらしからすごい。ストーリーも、自分の使命感と平和な生活が両立しないために別れたジュリアとの関係が語られます。前半は孤独に戦うイーサンに悲壮感すら漂っていますが、最後にはその戦いが肯定され、幸せなラスト迎えます。激しいアクションの後に一瞬訪れる平穏が味わい深いです。次回作を作れるような余韻も残していますので、トムクルーズの健康を祈ります。

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』

洋画  ★★★☆☆

演奏されるキューバ音楽がとても素晴らしく、感情に訴えるものがあります。そこにある奴隷制、アメリカの支配、キューバ革命後の国交断絶などなど、キューバ人の特に黒人の歴史を背景を思うとより一層心動かされます。音楽を愛し続けているが成功には恵まれなかった人々が、老人になって突然の成功を手にします。キューバの音楽が世界中で認められ、ツアーを回る彼ら。そんな中、女性歌手のオマーラが呟きます。「なぜ観客はこんなにこの曲を楽しめるのか、キューバの歴史を知っているのか」と。そしてついにアメリカ資本主義の象徴とも思えるカーネギーホルでの講演します。さらに亡命キューバ人の街マイアミでも。キューバ音楽の背景と、その成功した姿になにやら皮肉めいたものを感じてしまいました。

『未来のミライ』

邦画  ★★★★☆

はてなブログ

『ジュラシック・ワールド 炎の王国』

洋画  ★★★★☆

これは映画というよりテーマパークのアトラクションに近い体験だと思います。IMAX 3Dの大画面に映し出される舞台の素敵なことといったら。廃墟となった島は行ってみたいと思うほど魅力的なのですが、そこに火山の爆発と逃げ惑う恐竜たちが重なった映像はすごいです。スリルのあるシーンが切れ目なく繋げられていて良くも悪くも人間ドラマを挟む隙もないほどです。そしてキメのシーンというか一枚の画のような瞬間がいくつかああります。島に残された恐竜が炎に飲まれるシーン、インドラプトルが屋敷の屋根に立つシーンなど、その構図のかっこよさに圧倒されます。ラストはついにここまでやったかという展開で、自作でどう収拾させるのか、ある意味楽しみです。

『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー』

洋画  ★★★☆☆

この映画の登場人物に、完全な正義の人はいません。弱肉強食の世界で、自分が生き残るためには手段を選ばない。そうしないと生きていけない時代の人たちです。でも決して悪人ではない。人を愛するし、正義のために行動したりもします。それでもシビアに他人を裏切ることもしますが、お互いそれを少し理解したりもする。ハン・ソロのイメージに合わせた世界観にもなっていて、決して観て損はしません。でもやはりそういった微妙な人間関係を描くことでどうしても地味になってしまうのが苦しいところ。まあなにより、ソロ役の俳優にハリソンフォードほどのオーラが全く感じられないのが一番の問題ですね。

『フジコ・ヘミングの時間』

邦画  ★★★☆☆

フジ子・ヘミングはノスタルジーの世界に住んでいる人です。古いものが好きで、古い街並みが好き。そして何より自分の子供の頃の記憶への思い入れがすごいです。なかなか波乱万丈な人生を歩んでいますが、その過去を思わせる場所を老人になっても訪れては、郷愁に浸っています。自分の生まれたドイツの小さなアパートを訪ねるシーンや、小さい頃家を出て以来会っていない父親が書いたポスターを見るシーンなどが印象的です。そして彼女の奏でるピアノも、現代のテクニックを追求した演奏スタイルではなく、多少のミスタッチを気にせず情緒的なものです。なんの展開もない映画ですが、なぜかものすごく引き込まれるから不思議です。

『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』

洋画  ★★★★★

これでもかと多くのヒーローが登場し、とにかく全てのシーンがカッコいいです。バリエーション豊かな能力を持ったキャラが一堂に会しながら、ぎりぎり戦闘シーンの整合性を保っている設定と演出は見事です。敵キャラのサノスは、6個集めると何でもできる石を集め、あらゆる生物の半数をランダムに抹殺しようとしています。理由は資源枯渇や環境破壊を防ぎ、より良い社会を作るためです。その信念のためには人口の半分を殺すことも、自分の最も大切なものを失うという犠牲も厭いません。そこに一切の迷いはない。それに対し、ヒーローたちは良くも悪くも人間性を残しすぎています。サノスの行為に対する明確な反論のロジックも持たず、勝つために犠牲を払うことためらうことでことごとく勝機を逸していきます。そしてまさに衝撃のラストを迎えるわけですが、どうやらドクター・ストレンジだけは少しサノスよりの存在に見えました。圧倒的な映像に加え、ストーリーでもここまで見せられたら文句なしですね。次回作での展開が本当に楽しみです。

『レディ・プレイヤー1』

洋画  ★★★★☆

VR世界のオアシスを作ったハリデーは、人との接し方がわからずゲームばかりする子供時代を過ごしていました。ゲームがヒットした後も、好きな女は片思い、親友とは契約関係でもめてしまいます。主人公はゲーム世界ではそこそこ成功していて友達もいるが、現実世界では貧乏で何も持っていない。その他のゲームプレイヤー達も含めて、彼らをつなぐのが「ポップカルチャー」という共通体験です。遺産をめぐる謎解きレースの中で、主人公たちはハリデーが過去に体験した映画、アニメ、ゲームなどの趣味を分析します。その中で、様々な作品体験を通して彼と共感します。そしてそれは周囲のプレイヤーたちとの間でも。引きこもりの趣味に観られがちなポップカルチャーが肯定され、現実世界での人との繋がりを生んでいくもととして描かれます。オアシスの中の「イースターエッグ」を見つけるラストシーンのやり取りでは、思わず涙しました。それにしても、自分が80年代のオタク文化にもっと詳しければ、何倍も楽しめたんだろうなと思うと残念です。自分の教養のなさを反省。

『レッド・スパロー』

洋画  ★★★☆☆

激しいスパイアクションものかと思いきや、意外にも心理描写メインの展開でした。映像は動きよりも構図や色彩で美しく見せる感じで、ゆったりしていて長い作品ですが、飽きずに観ることができました。美しい女性がスパイになる過程がどんなものか期待していたのですが、エロいシーンにせよ痛いシーンにせよソフトで拍子抜けしました。教官からひどいこと命令されても毎回上手くかわして誤魔化すのがなんだか。ラストの展開自体は意外なもので楽しめますが、主人公の心情的はそれほど意外性がないのが今一歩でした。せっかくロシアを舞台にした良い雰囲気なのに、全員英語をしゃべるのは本当になんとかして欲しいところです。

『リメンバー・ミー』

アニメ  ★★★★★

この映画は必ず字幕で観るべきです。メキシコの「死者の日」というお盆のようなお祭りを舞台に、主人公が死者の世界と行き来する話ですが、セリフは所々にスペイン語訛りが入り、それがテンポを生み出しています。メキシコの街並みや祭りの風景など、本当に美しくて感動します。世界の狭間にある橋のシーンは必見です。テーマは家族愛ですが、「記憶」が一つのポイントです。劇中の設定は現代人の罪悪感を刺激します。田舎の家族を置いて都会で好き勝手にやりたい仕事をしている。親や祖父母、ましてや先祖のことを考える時間はあまりありません。日本のお盆の風習も廃れつつあります。作中で音楽のために家族を捨てた先祖は、結局最後まで家族のために戻ってくることはありません。でもそこで生み出した「歌」が、家族への愛の証明と記憶を残していきます。家族との時間を削ってアニメを作るピクサーの社員たち。この作品は、まさに彼らが結婚相手や子供達に残した「歌」なんだと思います。愛する人に何かを残すことが私たちに出来るせめてものこと。十分ではないのかもしれませんが、この映画はそれを肯定してくれます。

『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス

洋画  ★★★★☆

カナダの実在の画家の人生を描いた作品ですが、個人的にはある夫婦の「幸せ」についての映画だなと思いました。決して出来た人間でない夫と妻が、長年一緒に暮らすなかでゆっくりと二人の関係を築いていきます。薄暗くて殺風景な一軒の家、夫に殴られた主人公が壁に一つの絵を描き始めます。年を重ねるごとに絵は増えてゆき、最後には家中が華やに生まれ変わります。その光景と夫婦二人の関係性の変化がリンクしていて、すごく心にしみます。一見単調で狭い世界ですが、実際は真逆の色彩豊かな生活がそこにはあります。小さな窓から見えるものが好きだという主人公のセリフは、日常にある幸福を感じることの重要さを強く訴えてきます。ラスト、夫は一人家の中、その彼の後ろには色とりどりの絵が描かれた壁が見えます。泣けます。

『グレイテスト・ショーマン』

洋画  ★★★★☆

第二次産業革命の中で、都市の貧しい人々の誰もが、自分も成功して大金持ちになれるかもしれないという夢を抱いた時代。発展して活気があるが、無秩序で薄暗い都市と、そこで夢を見る人々の雰囲気がすごく良いです。主人公はその夢を掴むために数多くのユニークな人々を集めてサーカスを開きます。結果としてそこそこの成功を掴み、図らずも世間から蔑まれてきた人々を解放する役割も果たします。しかし、貧しい身分の中で抱いた夢が、成功への強烈な渇望から一種の幻想へと変わっていきます。主人公が一流のオペラ歌手という「本物」と出会うシーンがその切り替わりなのですが、その芸術性が、彼の中でサーカスというショーの地位を一気に下げていく描写が圧倒的でした。でも転落からの復活は意外とあっさりしていて基本的には全編ハッピーな展開です。ミュージカルシーンは全て賑やかでポジティブな曲調と演出で、一貫して楽しい映画になっています。その分ララランドのように切なさも含んだ複雑な感情を描くものではありません。

『スリー・ビルボード』

洋画  ★★★★★

序盤、娘を殺した犯人を捕まえようとする母親の姿が凛々しく見えます。しかし、次第にその傲慢な言動が孤立を生んでいき、彼女の本当の姿が徐々に明らかになっていきます。娘の捜査を進めるためなら他人を顧みず何でもする主人公の「怒り」は、警察に向けられているようでいて、実は過去の自分への後悔から生まれていることが分かります。看板にある事件が怒るのですが、その時の息子とのやりとり、そしてそこから立ち直る時の周囲の人々とのやりとり。主人公の象徴であるこの看板は、序盤とラストでは見た目は同じでも全く違った意味を持つようになります。南部の狭い田舎社会という舞台、広告という象徴、役者の絶妙な演技、軽快な脚本、などなど。この完成度は素晴らしいですね。

『祈りの幕が下りる時』

邦画  ★★★☆☆

序盤、タイトルが出るまでの展開はなかなか良いです。シン・ゴジラに影響されたような、次々とセリフとテロップで場面を切り替えていく流れは軽快でスリリングです。でも、結局は分かりやすいメロドラマになります。日常にある細やかな心象とは真逆の、劇的な展開の連続です。キャラの心情はセリフやモノローグで全て語られ、演技もそれを分かりやすく表現するのみです。一方で画としてはなかなかよくて、厳選されたロケ地の風景は素晴らしいです。これで火サスのような、特に理由もないのにわざわざ景色の良い所に足を伸ばして黄昏るとってつけたような段取りさえなければ。もっと自然にできないものでしょうか。劇中に出てくる曽根崎心中のような人情話で、それに感情移入できない人には特に感動はありません。個人的には、序盤のノリのままでクールにサスペンスをやって欲しかったところです。

『ポプテピピック』

アニメ  ★★★★☆

クソアニメを自称するだけあって、本当に低俗なパロディものです。かなりのマニア以外意味不明な引用や内容のない展開など、完全に同人誌のノリです。でも一方で新しいことをやっているのは間違いないです。声優を変えての再放送を連続でやり、その中にちょっとしたネタを入れてきます。作画も適当なようで絶妙に味があります。特に「AC部」のボムネミミッミなんかは今まで見たことない種類の、気持ち悪かわいいアニメを見せてくれます。元ネタの意味を知っている人は文句なく楽しいでしょうし、それをネットで調べるのも楽しい、そして結局なんだかわからなくても、なんとなく眺めてるだけで十分楽しいアニメです。カオスなオープニングテーマの映像なんかは特にそうで、何回見ても良いです。これの後におそ松さんを見ると、とても常識的なアニメに見えてしまうのが不思議です。

『トドメの接吻』

ドラマ  ★★★☆☆

タイムリープものということで安定の面白さなのですが、ポイントは7日前に戻るということ。何度も戻ってやりなおせる設定だし、リープしすぎてくどくならないちょうど良い感じです。前半のホラータッチからの意外な展開が良いです。エイトの嫌味のないイケメンっぷりと、門脇麦のちょうど良いブスさと奇妙さが合間って、キャラにとても交換が持てます。テーマはありきたりで特筆すべきものはありませんが、とにかくサスペンスとしての面白さがすごいので一気に観れてしまいます。

『キングスマン ゴールデン・サークル』

洋画  ★★★★☆

ストーリーはとにかく下らないけど、最高に楽しい映画でした。今回はアメリカのスパイ機関と組む話ですが、出てくるメンバーのステレオタイプなアメリカ人ぶりが可愛すぎです。全員テンガロンハットを被って、粗野で、武器は投げ縄など。そこにこれまたステレオタイプなイギリス人が組み合わさって、そのギャップが面白いです。敵のボスの拠点がまた良い。カンボジアの密林の中に、アンコールワット風の門の先には「ポピーランド」という50年代のアメリカ風の街並みが再現されています。そこでヘマした部下を〇〇してハンバーグを作ってしますシーンなんかはバカバカしくて良いです。アクションシーンも前作同様いろんなアイディアが詰まった演出で飽きさせません。

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